「隣人の話し声がうるさい」「隣人が音楽を爆音で流す」。
こんな時どのように対処したら良いのでしょうか。
当記事では、騒音による隣人トラブルにあった時の対処法とNG対処法をご紹介していきます。
実は筆者も隣人の騒音に悩んだ一人です。記事の最後には筆者が行った対処法も載せています。
※当記事は、アパートやマンションなど集合住宅での騒音トラブルの対処法に焦点をあてた内容となっています。
隣人トラブルで最も多いのが「騒音」
隣人トラブルで最も多いのが「騒音」によるものだと言われています。隣人トラブルといえばゴミや匂いによるものなど様々なものがありますが、その中でも最も多いのが騒音なのです。
騒音トラブルの要因の例を挙げれば、「上階の住人の足音」「大きな話声」「ドアの開閉音」「子供が飛び跳ねる音」「赤ちゃんの泣き声」「掃除機や洗濯機の音」「テレビや音楽の音」「ペットの鳴き声」「車やバイクのエンジン音」など様々なものがあります。
これだけ見ても色々な音がトラブルになるということがわかります。そして、ポイントは生活音がトラブルの火種になるということです。
特にアパートやマンションなどの集合住宅の場合は、よほど遮音性能が高くない限り、隣人の生活音は多少なりとも必ず聞こえてきます。さらに音の感じ方は人それぞれです。音を出している方が「これくらいの音は迷惑じゃないだろう」と思っていても、聞く方になってみれば怒りがこみ上げてくるほどに不快に感じることもあります。そのため、音に関連したトラブルは起きやすいのです。
【要注意】対処法の前に…とても大切なこと!
騒音による隣人トラブルは思い違いから起こることもあります。生活音だとしても遮音性能の都合上、他の部屋にまで強く音が響いてしまうこともあります。
もしかすると“その音”は、我慢をしないといけない、気にしないようにするしかない音の可能性もあるのです。そのため、一度冷静になって状況を把握することも大切です。
大きな音や不快な音が続いたりすると、被害者意識が強くなったり相手への怒りがわいてきたりして、どうしても主観的に事態を見てしまいます。自身の精神状態が悪い場合には、些細な音にイラついてしまうこともあります。
対処法を講じる前に、本当に隣人がいけないのか、それとも物件の性能上仕方がないことなのか、はたまた自分が音に過敏になってしまっているだけなのか、客観的な視点で冷静に状況を見ることも大切です。その上で具体的な行動に移すことをおすすめします。
頭に血が上った状態で何かしらの行動に移すというのは、相手との関係性を悪くするリスクがありますので注意してください。
「騒音」による隣人トラブルにあった時の対処法
「騒音」による隣人トラブルにあった時の対処法として、5つの方法をご紹介します。騒音はストレスを増大させますし、睡眠障害の要因にもなり得ます。明らかに相手に非がある場合には我慢は禁物です。なるべく早く行動に移すことをおすすめします。
管理会社(大家)に連絡
隣人が騒音を出している場合は、管理会社(大家)に連絡するのが、まず考えられる対処法となります。管理会社から騒音を出している隣人に注意をしてもらいます。
また、管理会社に隣人の騒音に関する連絡をした際には状況を細かく聞かれることになりますので、連絡する際には騒音の内容に関して具体的に説明できるようにしておきましょう。
加えて、騒音の録音データや、いつ、どれだけの時間騒音があったかなどを記録しておくことで、管理会社としてもアクションがとりやすくなります。管理会社にどれだけ情報を渡せるかも重要です。
警察に通報
管理会社に連絡をしても騒音が収まらない、度を越した騒音が続いている、という場合には警察に通報するのも一つです。
110番通報をした際には、警察官が現場を訪ね、状況によっては直接騒音を出している人物に対して注意をしてくれます。
社会的に強い存在から注意をされるということで抑止力が働き、騒音が収まる可能性はあるでしょう。稀ですが違法性がある場合には、騒音の発生主が逮捕される可能性もあります。
また、警察官が現場に到着した際には、騒音の状況に関していくつか質問をされます。やはり、記録を取るなどして騒音の状況を具体的に説明できるよう準備しておくと良いでしょう。
調停
騒音トラブルの対処法としては、調停を利用するのも選択肢の一つとなります。
調停は裁判所の調停員を間に入れながら、相手と話し合い、紛争の解決を図ろうというものです。そのため調停は隣人と円満に解決したい場合に適しています。
ただ、トラブルが深刻化していて、相手が自分に対して、もしくは自分が相手に対して敵意を持っているような状況ではあまり効果が期待できません。なぜなら、お互いに譲歩する気持ちが全く無い状況であれば話し合ってもあまり意味が無いからです。
お互いが譲歩しないままの状況で落としどころを見つけようと思ってもそうは見つかりません。調停はそもそも相手が出席してくれなければ始まりませんし、相手が欠席してしまうと話し合いがストップしてしまいます。
相手が自分に対して敵意を持っているようであれば「なんであいつのために時間を割かなければならないんだ!」と出席すらしてもらえない可能性もあります。そのため、調停はまだトラブルが深刻化していない状況、トラブルの初期段階などで利用するのがベターとなります。
訴訟
騒音トラブルが深刻化している場合には訴訟も選択肢となり得ます。
特に不眠症などの健康被害を受けている場合には損害賠償請求が認められる可能性があります。
そして、裁判に臨む際は証拠が重要になります。医師の診断書をはじめとして、騒音の録音データや騒音計のデータ、騒音があった時間や頻度の記録など様々な証拠を用意しておくことで、裁判を有利に進めることができます。
引っ越し
騒音に関わらず隣人トラブルの対処法として確実なのが引っ越しです。
騒音に悩んでいる方の中には「なぜ自分が引っ越さなくてはいけないのか」と思う方も少なくないかと思います。ですが、近隣トラブルは解決を図ろうとして円満に解決すれば良いですが、そうでない場合はどちらかが納得しない状態のままで隣り合わせることになります。
管理会社に注意をしてもらい隣人の騒音が収まったとしても、相手は「神経質なやつだ、こっちは普通に生活してただけなのに」と嫌悪感を強く持った状態になることも考えられます。住む環境としては気分の良いものではないでしょう。
また、裁判で勝ったとしても相手が引っ越さない限りは隣人として隣り合わせることになりますし、裁判は時間やコスト、労力がかかります。判決が出るまでには数年かかることもあります。このようなことを鑑みると、引っ越しが対処法としては一番望ましいのです。
「騒音」による隣人トラブルにあった時の絶対NGな対処法
騒音などの隣人トラブルにあった時に、決してやってはいけないNG対処法があります。それが、壁ドンや当事者同士の話し合いです。これらは、トラブルを余計にややこしくしてしまう可能性があります。ご注意ください。
壁ドンなどの相手を刺激するような仕返し行為
騒音に関わらず隣人トラブルを泥沼化させるリスクをはらんでいるのが仕返し行為です。そのため、いわゆる壁を叩く壁ドンなどの行為はやってはいけない対処法の代表的なものになります。
壁ドンは、相手からすれば「こっちは普通に生活しているだけなのに何で叩いてくるんだ!ふざけるな!」と、怒りの感情を抱かせるきっかけにもなりかねません。そこからさらなるトラブルに発展する可能性もあります。実際に壁ドンから事件も起こっています。
壁ドンの他、相手から挨拶があっても挨拶をしない、相手とすれ違った際に睨むなど、あえて相手を刺激するような・反感を買うような行為は控えたほうが良いでしょう。
当事者同士の話し合い
当事者同士の話し合いも、やってはいけない対処法の一つとなります。
双方が冷静に話そうという心境で話し合いができなければ、売り言葉に買い言葉で余計に関係性が悪くなってしまう可能性があるためです。
話し合いは、隣人トラブルの円満解決を目指す上では有効な方法ですが、当事者同士となるとかなりリスキーになります。話し合いで円満に解決をしたいという際は、調停を利用したほうが良いでしょう。
隣人の騒音で悩んだ筆者|筆者が選んだ選択肢
実は、以前、筆者も隣人の騒音で悩んでいました。(詳しくは下の記事でご紹介していますので、興味のある方はどうぞ。)恐怖を感じるような騒音だったため、眠りが浅くなってしまうこともありました。
その時、対処法としてまず行ったのが管理会社に連絡をするというものでしたが、結果的には効果はありませんでした。そこで最終的な選択肢として選んだのは引っ越しです。
引っ越すまでは「なぜ自分が引っ越さなくてはいけないんだ」とも思いましたが、引っ越して良かったです。もっと早く引っ越しておけば良かったと思ったくらいです。
と言いますのも、睡眠、ひいては仕事のパフォーマンスにも影響が生じてきていたからです。
家が癒しの空間であるはずが、逆にストレスが溜まっていくのはツラいものです。ストレスを感じて・イライラして・我慢をして生活する時間は間違いなく精神衛生上良くありませんし、不要な時間です。
筆者的には、賃貸であれば、トータルで見て引っ越しがベストな選択肢のように思います。